リサーチコモンズとは・2

問題解決のモデルケースを生みだす三位一体のサイクル

データ中心科学「リサーチコモンズ」は、データ基盤、モデリング・解析基盤、人材育成の三位一体により、情報化時代を先導する先進的研究基盤と、オープンな国際共同利用・共同研究の中核的拠点を形成する、世界的にもユニークな事業です。機構の4つの研究所(国立極地研究所、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所)および2つの直轄センター(新領域融合研究センター、ライフサイエンス統合データベースセンター)が一丸となった取り組みとして、約100の大学・研究機関と連携して推進しています。

データ基盤整備

データ中心科学推進の基礎となるさまざまな分野の大規模データベースを構築し、データベースの統合化技術の開発を進める事業です。本機構内ですでに実績のある研究分野を対象とした(1)地球環境データ、(2)ライフサイエンスデータ(DBCLS)、(3)人間・社会データに、新たに(4) データ中心ケミストリ(化学データ)が加わった4つのデータベース研究開発が進められています。それぞれの分野の特色を踏まえた最先端のデータベース開発を行い、研究コミュニティへの迅速な提供を進めています。

モデリング・解析基盤整備

データ基盤整備事業によって提供されたデータを高度に活用して、課題の背後にある構造を捉え、ソリューションを生みだす研究環境を提供する事業です。高度な研究諸機関とのNOE型連携協定を基に、(1) イメージデータ解析:データ構造の可視化・探索支援技術、(2) データマイニング、(3) データ同化・シミュレーション支援技術、(4) e-サイエンス基盤技術の4つの研究プロジェクトを推進しています。
※本事業は、当機構新領域融合研究センターの「統計数理基盤」「情報基盤」事業を発展させたものです。

T型・π型人材育成

分野を横断する方法的知見と分野の知識を持つT型、2つ以上の分野の専門性に根ざし、方法論でつなぐことができるπ型人材を組織的に育成する事業です。特にライフサイエンス、人間・社会分野では喫緊の課題であり、新領域融合研究プロジェクトを推進するなかにOJT(On the Job Training)型研修を組み込むことで、系統的に育成します。さらに国内大学と機関連携して、若手研究者を対象とした公募により、6か月間程度リサーチコモンズの研究成果が利用できる環境を提供するプログラムも展開しました(平成25年度)。

※研究者交流促進プログラム、および本機構の特別共同利用研究員制度が活用できます。

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