Research View 2014-2016 記事一覧

Research View 029

ゲノム×統計学のNEXT STEP。

[遺伝機能システム]栗木 哲(統計数理研究所・教授)・藤澤 洋徳(統計数理研究所・教授)

2016年3月、3年間のリサーチコモンズ事業が終了します。そのプロジェクトのひとつである「遺伝機能システム」は、しかし、当機構設立以来の融合研究を継承し、併せて約10年にわたって発展してきました。

Research View 028

データが語る”豆ぶち鼠”の大いなる帰還。

[遺伝機能システム]城石俊彦(国立遺伝学研究所副所長・教授)

実験に理想的な遺伝的特質を持つことに加え、ショウジョウバエとならんで約100年もの歴史を持つ実験用マウス「ムス・ムスクルス(Mus musculus)」。なかでも世界のラボで最も広く使われているのが、黒っぽい栗毛を持つC57BL/6という系統です。

Research View 027

統計的思考が自然言語処理を変えていく。

[メタ知識構造解析]持橋大地(統計数理研究所・准教授)

人と機械が共生する以上、人間が使う言葉を研究する「自然言語処理」という分野を欠かすことはできません。そもそも言語は、人間にとって思考の道具であり、他の動物にはない大きな特徴と捉えられてきました。

Research View 026

ウェブデータはオープンを目指す。

[e-サイエンス基盤技術]武田英明(国立情報学研究所教授)

ウェブ以前から人間の持つ知識に注目し、人類の巨大な知識をいかに機械が使えるようにするかに取り組んできた武田英明教授(国立情報学研究所)。まだ人々を惹きつけることはなかった1990年代前半のウェブに大きな衝撃を受けて「未来の知識はここにある」と、人工知能(AI)の研究からウェブによる知識獲得へ、いち早くテーマを移したといいます。

Research View 025

レジリエンスの知恵を役立てるために。

[システムズ・レジリエンス]丸山宏(統計数理研究所教授)・第3回「IT×災害」会議実行委員会

本年度で4年間のプロジェクトを終える「システムズ・レジリエンス」。去る2015年11月21日には、現場の災害対応を考える人たちのコミュニティとの交流の機会として、第3回「IT×災害」会議を共催しました。

Research View 024

人工知能は可読なビッグデータを待っている。

[e-サイエンス基盤技術]新井紀子(国立情報学研究所・教授)

情報・システム研究機構発足直後の融合研究で「サイエンス2.0」として研究開発が始まったresearchmap。研究者の卵や研究支援者にも門戸を開き、共同研究を加速し、大学共同利用の基盤となるようなシステムとして2009年に公開され、以降も改良が続けられてきました。

Research View 023

赤道直下の氷河で見つかった新しい生態系。

[地球・環境システム]植竹淳(国立極地研究所・特任研究員)

赤道直下にも、氷河を頂く山々があります。標高5,895メートルのキリマンジャロ山(タンザニア)、5,199メートルのケニア山(ケニア)、そしてウガンダとコンゴ民主共和国の国境に位置するルウェンゾリ山です。

Research View 022

データが生む知見で、よりよい社会へ舵を切る。

[人間・社会データ]山下智志(統計数理研究所・教授)

リサーチコモンズの「社会コミュニケーション」と「人間・社会データ」にまたがる研究を推進する、統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター長の山下智志教授。

Research View 021

すごいチーム作りをしくみで支えるために。

[データ同化・シミュレーション支援技術]樋口知之(統計数理研究所・所長)

新領域融合研究センター発足当時から、現リサーチコモンズの「データ同化・シミュレーション支援技術」に連なるプロジェクトを牽引してきた樋口知之教授。

Research View 020

データ中心科学の花ひらく冒険。

[地球環境データ]佐藤薫(東京大学・教授)

「PANSY」という花の名前を冠した、南極昭和基地大型大気レーダーのプロジェクト。そもそもは2000年1月、極地研に着任してきたばかりの研究者が「南極でこんなデータが取れたら、きっと素晴らしい」と夢を語ったことから始まりました。

Research View 019

人間のしわざには類型がある。

[メタ知識構造解析]宮尾祐介(国立情報学研究所・准教授)

人類が日々生み出すデータの多くは「テキスト」という形式で蓄積されています。機械が読む「プログラミング言語」に対して、私たち人間が使う言葉を「自然言語」といいますが、

Research View 018

データから新事実を探り出すための可視化。

[イメージデータ解析]松井知子(統計数理研究所・教授)、吉田亮(統計数理研究所・准教授)

生物、人間社会、宇宙の大量のさまざまなデータが駆使できるようになった現在。しかしデータが増えれば増えるほど、またそれらが時間的、空間的に変化したり、いろいろな情報を合わせ持つほどに、それらの中から何が重要な情報なのかを抽出する難しさと手間は増していきます。

Research View 017

多様なる野外生物たちの戦略と進化。

[システムズ・レジリエンス]北野潤(国立遺伝学研究所・特任准教授)

2011(平成23)年の東日本大震災では、巨大な津波が東北地方を襲いました。以前から北海道から東北にかけての冷たい水域に住む魚「イトヨ(写真右)」を研究してきた北野潤特任准教授は、

Research View 016

統計データを社会に活かす未来像。

[人間・社会データ]椿広計(統計数理研究所副所長・教授)

1947(昭和22)年に公布された統計法が、2009(平成21)年4月、およそ60年ぶりに大改正されました。「統計」を意味する「Statistics」は、まさに国「State」の状態、すなわち国勢を知ることによって国を動かす指針にする「国勢学」がその語源です。

Research View 015

南極上空の風をアーカイブする。

[地球環境データ]中村卓司(国立極地研究所・教授)

たくさんのアンテナを並べて一括制御する技術「アクティブ・フェーズドアレイ方式」による「PANSYー南極昭和基地大型大気レーダー(Program of the Antarctic Syowa MST/IS radar)」は、2012年から本格観測を行っています。

Research View 014

バイオハッカソン2014、データ統合への道のり。

[ライフサイエンスデータ(DBCLS)]片山俊明(DBCLS・特任助教)、山口敦子(DBCLS・特任准教授)

"ハッカソン"とは、一言でいえば気鋭のプログラマーたちが集まって、短期間ながら凝集性の高い交流を通じて開発に取り組み、課題解決を目指すコーディング・イベント。バイオハッカソンは2008年にこの形式を採り入れ、

Research View 013

オープンデータ×金融のチャレンジ

[社会コミュニケーション]津田博史(同志社大学・教授)

金融工学のひとつの最先端であるウォールストリートでは、トレーディングの主役はとっくにロボット(プログラム)だと言われます。

Research View 012

極限環境に生きる「コケ坊主」のすべて。

[地球・環境システム]伊村智(国立極地研究所・教授)

昭和基地近くの池の中へ潜ったところ、ちょうど陸の「アリ塚」にも似た、山のかたちをした緑の物体が見つかったのは、およそ20年前のこと。

Research View 011

未探索の新物質をデスクトップで発掘しよう。

[データ中心ケミストリ]佐藤寛子(国立情報学研究所・准教授)

化学でおなじみの分子模型を使って最初に作ってみるもののひとつに、炭素6個、水素6個が対称に並ぶ「ベンゼン環(C6H6)」があります。

Research View 010

「建築」という視点で細胞を解明する。

[データ同化・シミュレーション支援技術]木村 暁(国立遺伝学研究所・准教授)

統数研が中心となって進めている、リサーチコモンズ「データ同化・シミュレーション支援技術」に参加する、木村暁准教授(国立遺伝学研究所)。

Research View 009

どんなしくみで「種」が分かれるのだろう。

[遺伝機能システム]岡 彩子(新領域融合研究センター・特任研究員)

雄のロバと雌のウマの掛け合わせである「ラバ」は、繁殖力を持たないために子孫を残すことはできません。

Research View 008

オーロラはどこに降る?

[データ同化・シミュレーション支援技術]才田聡子(統計数理研究所・特任研究員)

天体の動きが高精度に予測できる現代、オーロラという現象は、たとえば天気予報のように予測できるのでしょうか?

Research View 007

感染症は都市でどう拡がるだろうか。

[データ同化・シミュレーション支援技術]齋藤正也(統計数理研究所・特任助教)

「データ同化・シミュレーション支援技術」のプロジェクトで活躍する齋藤正也特任助教(統計数理研究所)。

Research View 006

データを使ってモデルをリアルに近づける。

[データ同化・シミュレーション支援技術]中野純司(統計数理研究所・教授)

今回ご紹介するのは、データ中心科学「リサーチコモンズ」の3つの基盤整備事業のうち「モデリング・解析」を担う、「データ同化・シミュレーション支援技術」のプロジェクトです。

Research View 005

イノベーションに役立つデータ中心"政策"科学を。

[社会コミュニケーション]曽根原登(国立情報学研究所・教授)

データ中心科学 リサーチコモンズで、データベース「人間・社会データ」と、プロジェクト「社会コミュニケーション(コミュニケーション情報学)」という2つのプロジェクト・リーダーを務め、

Research View 004

南極に積もる雪から、太古の生命と環境を削り出す。

[地球・環境システム]本山秀明(国立極地研究所・教授)

「氷床コア」と呼ばれる稀少な氷柱を削り出す場所は、標高3,810m、年間平均気温マイナス54℃という南極ドームふじ基地。すべての水が凍り、液体の水が存在しないため、その氷上には生命活動がないといいます。

Research View 003

国際標準化されたデータが、生命を語り始める。

[ライフサイエンスデータ(DBCLS)]小原雄治(国立遺伝学研究所・特任教授)

ゲノムという膨大なデータで科学の進歩やイノベーションが見込まれるバイオ分野は、いち早くデータベース化に取り組んできました。アメリカでは

Research View 002

ゲノムが語る、栽培イネはどこから来たか。

[遺伝機能システム]倉田のり(国立遺伝学研究所・教授)

自分の目で確かめ、根気のいる実験を日々積み重ねていく──そんなサイエンスの伝統的なスタイルが主流だった生物学。そこへ何桁も違う大量データを生みだす次世代シーケンサーが登場し、さらにビッグデータ時代が到来します。

Research View 001

科学として「想定外」にどう対応するか?

[システムズ・レジリエンス]丸山宏(統計数理研究所副所長・教授)

ちょうど3年前の2011年3月11日に起こった「東日本大震災」。以来、災害復興のためにICTをどう役立てるか、企業などでも対策が進んできました。